お客さん(患者さん)との長いお付き合いで

開業してから20数年経過すると長年利用しているお客さんの話題も次第に変化してきたことに気がつきます。

明るく楽しい話題を提供してくれるお客さんはあまりおりません。

年代ごとに思い出せば次のような感じです。
当初は、30~40から50代で見えていたお客さんが60~70歳を超えて来ました。
女性の話題は、次のように変化してきました。

30~40代のころは、子供の教育や学校の話題が多くありました。
嫁姑に関する話もありました。
単身赴任の話もありました。

50代になると更年期症状そして親の介護やお孫さんの話が出始めます。
50肩になる人も出始めます。
60代では、子供さんが結婚しないので心配とか、親の介護の話が多くなります。

嫁さんや婿さんの話も時々出てきます。
お孫さんの話は楽しそうです。

70歳を超えてくると自分の体調に変化が出てきて病気の話が多くなります。
こんなはずではないのにと言う言葉もよく聞きます。

更に旦那さんに対する不満の声が出てきます。
例えば、買い物や洗濯などの家事を頼むと引き受けてくれるのですが、奥さんの予想とは大きく違う結果が出るようです。
そこで愚痴が出てくるのです。
それを旦那に言うと 次第にイヤな顔をしたり手伝わなくなるのです。
子供さんたちも独立して二人だけの機会が多くなるのでしょう。

80代になると人生最期の迎え方を話題にする人が出始めます。
自転車に乗ることを抑えられる人も出てきます。

認知症や寝たきりにもならずピンピンコロリを願うようになります。

男性客はどうかと言えば、年齢に関係なく仕事の話やスポーツの話、そして趣味、社会問題などの話題が多くあまり深刻な話は出ません。

しかし 80歳を超えるころになると家族から自動車の運転はやめてくれとか、免許を返納してくれと言われるそうです。
私としては、このように様々なお客さんから多くの情報を得ることができ知識も増えてきました。

かなり深刻なお話もありますがここでは控えさせていただきます。
そんな中から記憶に残る話をいくつか記してみます。
80代女性
寝たきりでもよいから旦那さんに生きていてほしかった。
一人暮らしは寂しいそうです。
80代女性
久しぶりで見えて帰り際に懐かしい話が沢山出来てよかった。
しかし、翌日病院の帰りに亡くなってしまったのです。
50代女性
両親の生活ぶりを参考にして、10歳年上の相手と結婚して老後を楽しもうと期待していたのに、60歳で定年に達したら突然主人が亡くなってしまった。
生活費を稼ぐために働かなくてはと考えると寂しく辛いです。
ちなみに、妹さんも10歳ほど年上の相手を選んだそうです。
70代夫婦
家事は全くやらず下着も靴下もどこにあるかわからない旦那です。
しかし、奥さんが急に病気になり入院したらすぐに困ることがおきました。
食事はコンビニの弁当が多くなり、掃除・洗濯などは近所に住んでいる息子夫婦に気兼ねしながらお願いしているそうです。
40代男性
この人はドクターでした。
開業して間もないころで患者はあまり見えない。スタッフは手持無沙汰。
経営が軌道に乗るまでは2年程かかるデータがあるのは解っているそうです。
それでも疲れやスタッフに対する不満を漏らしたり、様々なストレスが貯まり愚痴をこぼすのです。
帰り際に、あまり他言はしないでくれと頼んで帰りました。

それから1年半程すると近所のクリニックが廃業したりで忙しくなり声も元気でストレスも少なくなりました。

ちなみに治療中はあまり雑談はしないようにしているのですが、痛みや悩みを打ち明けたり愚痴をこぼすお客さんはたくさんいます。
お客さんも年齢を重ねてくると、夫婦二人だけの生活になったり一人暮らしで話相手もいなくなるようです。
隣近所の付き合いも希薄になってくるようです。

最近は大企業では賃金の大幅な増額の話が踊っているようですが、このあたりでは若い人も年配の人も、そのような楽しそうな話は聞こえてきません。
このように毎日お客さんの身体の痛みと心の辛さを少しでも取り除けるよう心がけて治療しています。

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